みなさん,こんばんは。
最近,急に冷え込んできましたね〜。
風邪を引いている生徒もちらほら。
われわれ講師陣も気をつけていかなくっちゃ!!


さて,現在中学二年生は
塾で国語の漢文を習っております。

読み仮名,返り点,置き字などなど…。
書き下し文になおす練習をがんばっています。


中学生で習う「返り点」は,
レ点,一・二点までなのですが,
佐藤塾では上・下点まで学習しております。


高校生になれば
甲・乙点が出てきますよね。
昔の成績表は「甲乙丙丁(こうおつへいてい)」で表していた…と
『はいからさんが通る』で学習していた日高(笑)


きっとこれ以上の返り点はないだろうと思っておりましたが…

な,な,な,な,なんとッ!!!!

ありましたよ〜((+_+))

おかしいな〜,わたし大学は国文学専攻だったんですけど…。
中国文学も勉強したのにな〜(笑)


甲・乙点は,甲乙丙丁だけでなく
さらに「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」と続き
10個も上に続けて返ることができるようです。

次の返り点が「天・地・人点」。
生け花の極意が漢文にも表れているなんて。

さらに,「元・亨・利・貞(げん・こう・り・てい)点」。
なんでも占いのことばからきているそうですよ。

さらにさらに,「春・夏・秋・冬点」。
こちらはおなじみ,四季ですね。

さらにさらにさらに,「木・火・土・金・水(もっかどごんすい)点」。
世の中にある,あらゆるものの属性のようなもの??

そして,ラストが十二支!!
「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥点」だそうです。



さすがに「天・地・人点」までくると
もうそれは,悪文の域。
日本語で文を四行も五行も続けて書いているようなもの。
文を短くして書いたほうが,よっぽど良い!!と
なるみたいですね〜。

十二支の返り点が出てくる漢文っていうのも
ちょっと見てみたいですけどね〜。
怖いもの見たさで…(笑)





 日高でした。


古典のプリントをつくるために
「堀河天皇」について調べていたのですが
「末代の賢王」と評される
とっても素晴らしい人物であったことがわかりました。

今回は,そんな「堀河天皇」のお話です。




授業で使った古典のなかでは,
明宗(あきむね)という,とても上手に笛を吹く男が登場するのですが,
この人,実は極度のあがり症。
堀河天皇から「ぜひ聞かせてほしい」と召し出されたところ
ふるえてしまってうまく吹けなかったんです。
気を使う堀河天皇(なんとお優しい),
明宗と親しい女官にこう言付けます。
「お前が明宗を中庭に呼んで笛を吹かせてごらん。
私はかくれて,こっそりその笛の音色を聞くとしよう」と。

月のきれいな夜(←この辺はかなり日高の妄想が入っております)。
女官のために笛を吹く明宗。
ああ〜ロマンチック♪

明宗は,緊張することなく思うままに笛を吹きました。
その音色といったら,この世に並ぶものはないほど…美しい!!


感動した堀河天皇は,うっかり言葉を発してしまいます。
「なんと美しいのだ…!」

びっくりしたのは,明宗くん。
恐れ多くも帝に笛の音を聞かれてしまいました。
とたんにお得意のあがり症が出動(←早口言葉。三回となえてから次に進む)。

さわいだ拍子に縁側からころがり落ちる明宗くん。
(なんだか同じオッチョコチョイナ〜のニオイを感じる日高・笑)

と,ここで授業では話が終わっているのです。
…が!!
調べたら,少し続きがありましたので載せてみます。


安楽塩といふ異名を付きにけり。
 ―安楽塩(あな落縁)とあだ名がついてしまった。

昔,秦舞陽が始皇帝を瞻(せん)奉りて,色変じ身ふるひたりけるは
逆心をつつみえざりけるゆゑなり。
 ―昔,秦舞陽が始皇帝を見て顔色を変えて身をふるわせたのは,
  逆心を隠しきれなかったためである。

明宗,なにによりて,さしもあわてけると,をかし。
 ―明宗は,なぜこのようにあわてたのか,おかなしなことである。
  (日高:なんか疑われてる? あがり症だっただけだよ。)

天徳の歌合せに,博雅三位,講師つとむるに,
ある歌を読みあやまりて,色変じ,声ふるひける由,
かの時の記に見えたり。
 ―天徳の歌合せに,博雅三位が講師(=読み人)をつとめたところ,
  ある歌を読み間違えて顔色を変え,声がふるえてしまったということが,
  その時の記録に見える。

かようのこと,上古のよき人も,力及ばぬことなり。
 ―こうしたことは,上古の(身分の)よい人にも,
  どうにもできないことだったのである。
  (日高:だから,堀河天皇。お気になさらずに。)


チョイナ〜明宗くんは,
なんと「安楽塩」というあだ名がつけられてしまったようです。
かわいそうに…。

安楽塩とは,雅楽のかなり有名な曲名だそうですよ。
安楽塩=安楽縁=あな落縁…。
レベルの高いダジャレですね(笑)

堀河天皇は,歴代の天皇の中でも笛の名手として有名だったようです。
そんな堀河天皇が絶賛するほどですから,
あな落縁くんはかなりすごい人ということがわかりますね。


堀河天皇の笛にまつわる話は,ほかにもあります。


ある日,部下の為隆さんからお仕事の報告を受けていた堀河天皇。
その最中,ずっと笛を吹いておられました。
あの賢君として名高い堀河天皇からこのような仕打ちをうけて
びっくりした為隆さんは,
堀河天皇のお父さん,白河上皇にちくりと一言。

「あなたの息子さん,物の怪(もののけ)にとりつかれてますよ。」
(注:こんなフランクに話していません。)

驚いた白河上皇は,天皇付きの女官に
「うちの息子は,物の怪にとりつかれているの?」とお聞きになりました。
「そのようなことはございません。」
女官はキッパリ否定します。

再度為隆さんに確認をとると,
「何も返事をせずに,熱心に笛を吹いておられたので
きっと物の怪がついてしまったのだろうと思いました」とのこと。

白河上皇は直接,事の真相を堀河天皇に問いただしました。
すると…。

「確かにそういうことがありました。
あのとき,実は秘曲を伝授されて,練習をしておりました。
そこに,為隆がやってきて仕事の報告をしたのです。
私は秘曲の練習を1000回しようとしていました
あと2,3回で終わるというところだったので

終わってから返事をしようと思い,練習を続けました。
終わってみると,為隆がおらずびっくりいたしました。
そのように(父上に)話されたことを,恥ずかしく思います。」




熱中して何かに取り組んでいる様子は,
まさしく「物の怪にとりつかれている」ような印象を与えるかもしれません。

一生懸命にがんばっている様子は,人の心を打ちます。
「笛の達人でも1曲につき1000回練習をする」
どんな道にも練習はつきものなのですね。

がんばったことは,みなさんの骨となり肉となり…。
ローマは一日にして成らず。
堀河天皇に教えていただいた気がします。




 先人の教えは大切に。
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